統合失調症はうつ病を併発しやすい。2つの違いと見分け方
2017/04/08
統合失調症になってしまうとどのような変化が現れてくるのでしょうか?
統合失調症は、うつ病と勘違いされることがあり、それは医師から誤診されることさえあります。
統合失調症とうつ病は、それほど似ている病気なのでしょうか?
今回は、統合失調症とうつ病の違いと似ている間違えやすい部分。
どうやったら確実に判断できるのかをまとめます。
スポンサーリンク
統合失調症とうつ病の違い
周りに対しての気遣い
うつ病
必要以上に周りに対して気をつかう。
それが当たり前と思っているため、しなくていいと言ってもしてしまう。
気遣いに関しては、自分は間違っていないと思っている。
統合失調症
自分のことしか考えられないので、周りに気をつかう事ができない。
また、周りが何を欲しているのかも分からない。気が付かない。
気遣いに関しては自信がないと思っている。
働き方の違い
うつ病
仕事に対して非常にまじめで、自ら損な役回りも引き受ける。
しなくてもいいほど仕事を引き受ける。
働き過ぎることに関して、後悔はしない。
統合失調症
何かを頼まれると、本当は断りたいのに断れない。
NOと言えないので、ストレスをため込みやすい。
また、能力以上のことを要求されてもNOと言えず引き受けてしまい、結果損害を出してしまうことがある。
やる気に関して
うつ病
やる気があり、1人で何でもこなしてしまいます。
そのため頼みごとをされやすく、要領オーバーに見えても引き受けてしまいます。
統合失調症
やる気が見られず、何でも消極的。
何もやっていないのに疲れた顔をして、実際に体力もありません。
やらなければいけない追い込まれた状態になって、始めて手をつけます。
脳の委縮
うつ病
うつ病の場合は、脳の委縮は見られません。
統合失調症
CT検査により、大脳前頭葉が縮小することが確認される。
症状が進行するにつれて、脳の委縮が進行していきます。
他の病気との併発
うつ病
うつ病は統合失調症に比べると、併発する病気は少ない。
社会不安障害や全般性不安障害などは併発する可能性があるが、それでも統合失調症よりは低い。
統合失調症
さまざまな病気を併発する可能性がある。
社会不安障害や全般性不安障害、パニック障害、フラッシュバックなどが起きる。
スポンサーリンク
なぜ誤診してしまう?
統合失調症の一番の特徴は、幻想や妄想が見えることです。
これは他の病気ではほとんど見えることがなく、この症状があれば統合失調症と診断されることが多いようです。
しかし、統合失調症でも陰性症状だけの場合は、統合失調症と判断することが難しい場合があります。
陰性症状は幻想や妄想の症状は発生しなく、やる気の低下や感情の無気力化など、うつ病と似た症状だけが出ます。
これが、2つの病気を誤診しやすい理由です。
誤診を防ぐために
誤診を防ぐためには、血液検査でエタノールアミンリン酸をはかることが有力です。
エタノールアミンリン酸が1.5μM以下だと、9割という高い確率でうつ病であると判断されます。
統合失調症とは数値が違うので、明確な違いとなります。
また、同時にCT検査で脳の縮小を検査すれば、より精度の高い診断を知ることができます。
統合失調症とうつ病の併発
実際にクリニックで診断をしてみると、うつ病の場合には脳の委縮がほとんどみられませんが、統合失調症には脳の委縮がみられます。
さらには、うつ病と統合失調症では、効果のある薬も違っています。
うつ病の場合には医者の治療によって、症状が大きく改善しますが、統合失調症でははほとんど効果がありません。
つまり、適切な治療薬をもちいれば、統合失調症もうつ病も症状を抑えて健常な生活を送ることが可能になるのです。
さらには、統合失調症の場合にはそのまま放置しておくと、うつ病を併発しやすくなるということも知られています。
統合失調症とうつ病を併発してしまうと治療が非常に難しくなってしまいます。
従って、統合失調症の症状がみられる場合には、迅速にその治療を行っていくことが必要になって来ます。
スポンサーリンク