統合失調症とうつ病ですが、何か?

統合失調症とうつ病を併発して、5年がかりで克服し完治させたアラサー男の記録をまとめます。前職は営業職で病みまくり、今はストレスの少ない仕事で社会復帰を果たしています。

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警察に通報された!半年、統合失調症で措置入院したときの話。

      2017/07/21

医療保護入院とは違う措置入院

統合失調症を患った身からすれば、最もショックが大きく、後々まで響くのがこの措置入院です。

というのも、法改正前は、移送に関してはこれまで家族の同意とか、あるいは家族の任意で入院させるなど、判断は家族が関わっていました。

ところがこれを行政、つまり警察とか、自治体の判断次第で家族の同意なしで入院させられるようになったので、入院のきっかけが「通報」ってことになります。

 

もちろん、事件性があるからというよりも、暴れたりして手に負えない状態になった場合とか、いきなり包丁を持って家を飛び出したり、かなり自他共に警察沙汰になるのは、措置入院の特徴です。

他人から見れば単なる被害妄想ですが、統合失調症の場合は「思考の固定」というか、勝手に想像で何でも結論を導こうとするため、

「眠れないのは監視されているから。」とか、「このご飯の味は変だ、きっと毒を盛られている」などから始まっていきます。

ここまでは妄想の範囲ですけど、然るべき投薬が措置入院するパターンでは、ほとんど「無い」と言っていいほど放置された感じですね。

 

つまり家族も周囲も、本人も統合失調症の病識が無いと言えるんです。

医療保護入院のように、家族が強制入院させる場合は、多少なりとも家族や周囲は「この人は統合失調症かもしれない。」とうっすら気がついていることは多いです。

従ってまず統合失調症は急性期もかなり悪化し、暴れたり、物を壊したり、ある意味家庭崩壊のような状態で、家族も本人も途方に暮れるケースは多いです。

 

部屋はメチャクチャになったりしますからね。

深夜に目覚めて急に暴れるなんてこともあるので、警察の通報も今では、他人からの方が多いのではないでしょうか。

確かに暴れている様子は、尋常じゃないので犯罪の予感はするでしょう。

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措置入院の条件

措置入院は文字通り問答無用の強制入院なので、一般市民の通報、警察官の判断による保健所への通報、または既に何か他人を傷つけた場合は、検察の判断で通報という3つの形態があります。

問題は、その人を見て統合失調症かどうかは関係ない点です。

 

「どうも精神障害のようだし、このままで問題を起こしそうだ。」といった、

犯罪予防的な効果は感じとして、なんとなく統合失調症側からすると嫌な感じですね。当然ですが、警察の事情聴取もあります。

措置入院は家族以外の警察など、第3者の通報がきっかけになるので、相当、統合失調症の状態は危険な感じになります。

本人も殆ど記憶があとから思い出せないくらいです。

 

医療保護とは違って観察期間があるため、入院期間は措置入院がある程度短くても、途中から医療保護入院に切り替わって入院したままというのが、結構な確率で多いのです。

精神保険指定医が2人ペアで揃って診察します。

ただ、大抵は統合失調症であることを、本人は強く否定しているので、指定医は無いので行政側の指定医だけになる事が多いですね。

 

何かの犯罪などに関与したとかいった場合は、それまでの統合失調症の診察をした医師が指定されることもあります。

しかし、いきなり入院というより、緊急移送された病院先での診断で決まりますね。当然移送中も警察はついてきます。

しかも入院を決定する際には、家族の同意も必要ないので、各都道府県知事、あるいは大きな都市なら市長などが行政処置、言ってみれば行政命令で入院が決定します。

 

措置入院こそ、本当の強制入院かもしれません。

場合によっては通報から、指定医師がその場で診察と鑑定をするケースもあります。

警察の通報の場合は、自宅に立ち入ることが許されているからですね。とにかく本人が入院治療を強く拒むというのが、一番重視されます。

 

入院期間と費用について

統合失調症の一番危険な急性期の最も悪化した状態なので、緊急措置入院となるケースが多いです。

ただ、家族などの要望から入院する医療保護入院とは違って、行政の強制入院なので、食事代や医療費は行政側が公費、つまり税金を使って支払います。

 

仮に1か月間の入院では、最初の5日間が措置入院で、その後医療保護入院に切り替わっていた場合は、6日以降が自己負担分が発生するといった仕組みです。

つまり自己負担分は健康保険適用ですが、一応、法律では措置入院も健康保険適用となります。

 

ところで措置入院とはいっても、投薬を拒否したり、容態はかなり急性期の悪化し状態ので、

簡単な話、患者本人が余程疲弊し、疲れておとなしくなるまでは、多くは観察が多いですね。

無理に強要しても結果は余計に悪化するためです。そのため、具体的な入院期間は結構短くて、長くても10日前後では無いでしょうか。

 

それ以上肉体的に体力が続くわけも無いからです。睡眠が出来るようになり、少なくとも投薬出来るくらいになったら、医療保護入院に切り替わっていきます。

従って、措置入院で多い緊急急性期治療病棟の場合は、30日以内の期間は、

1日につき医療報酬点数は1,984点、あるいは1,881点で、これは1点10円の計算なので、1万9,840円、もしくは1万8810円が「特定入院費用」となります。

 

所得に応じて自己負担も発生しますので、一応の目安ですね。

行政が公費で払う分は、原則都道府県側では4分の1、国が4分の3ですので、高額所得者以外は自己負担は殆どないと言っていいでしょうね。

ただし、措置入院から、容態が良くなったので退院ですといった簡単な話にはならないので、そこは要注意です。

それに措置入院期間自体は短い事が多いですね。

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入院中の治療とはどんなことが行われている?

措置入院は警察が関与したりするため、何か特別な治療でもあるのかと思われるかもしれませんが、特に変わったことは何もありません。

ただ執拗に薬を飲むのを拒否したり、食事を一切取らないとか、環境が強制的に丸ごと全部変わるので、栄養失調とか、不眠にならないような処置がとられます。

 

急性期にはいって容態が悪化したといっても、統合失調症は病気とは違って、脳神経の問題なので、一旦睡眠がとれるようになれば、数日で回復します。

もちろん、妄想は続いているか、心身症のような状態で疲弊し、おとなしくなっても自分を傷つけるなどの危険があるので、保護観察として担当医は何度も病室に来ますね。

 

身体拘束も、最近ではかなり問題視されているので、環境が変わってそれまでの疲労が一気にきておとなしくなって、看護婦と普通に話せる場合も多いです。

ところが、措置入院の場合はそれまでの統合失調症の経緯を医師が知らないために。身体拘束も最近ではまた増えたりもしています。

 

どれくらいで退院出来るの?

措置入院期間は前述したように短い事が多いのですが、問題は各自治体が指定している精神科医の方ですね。

確かに実績も多いし、経験も豊富な事は確かですが、統合失調症も含めた多くの精神障害は、「医師との相性」がかなり治療に響くんです。

 

結構年齢が高い医師でも、メディアでは、ある指定精神科医に至っては、「統合失調症は精神的に弱い甘えた部分がある。」と公言してしまうくらいです。

精神科医としては臨床経験があっても、統合失調症など、研究が不明な精神障害というのは多く、かつ統合失調症の診察経験があっても、治癒まで経過を見ている医師は、案外少ないです。

 

そのため措置入院から医療保護入院に切り替わる時点で、出来れば相性の合わない医師は、やはり変えた方が、同じ入院でも良い結果になることはあります。

結果的に措置入院が短くても、その後1か月とか長引くケースは、入院先も落ち着いたら考えた方が良いかもしれません。

退院時期はそのため、かなりばらつきがあると言って良いでしょう。

 

統合失調症は急性期よりも、消耗期の無気力と脱力感で、このタイミングは危険です。従って、入院は少なくとも週単位で考えないとだめですね。

 

入院よりも退院後が大変

措置入院後の家族の対処、また近所との繋がりは経験からすれば、相当な覚悟と勇気が必要です。

場合によっては、余計に精神的に追い詰められて、統合失調症にも影響が出る場合があります。

 

また、統合失調症で措置入院するほどの激しい症状は、ほとんどの人は経験がありませんから、家族も相当なショックを受けるはずです。

確かに狂ったように感じられるでしょう。しかしこう言ってはなんですが、統合失調症側から見れば、必死に正常になろうとしているのです。

考えが理論的でなくても、いろんなことに理由を探って疲れていきます。

 

この疲弊は相当なもので、長い不眠、絶食などで体力が限界に来ているため、精神的な事を除けば、普通の人でも身体がおかしくなるはずです。

つい最近の事ですが、国としては治療を継続して改善が認められるのなら、防犯目的での警察による自治体への通報は、積極的に行わなくて良いとの判断を検討しています。

 

そもそも措置入院とは、隔離ではなく治療行為でなくては意味がありません。

やはり、措置入院の多くが警察が関わる通報というのが、色々な面で措置入院のデメリットになってます。

近所からも、パトカーの存在が「これは事件だ。」といった印象を持たれる事が多いですからね。

 

偏見とどうやって戦うか?

統合失調症の人とその家族以外で、そもそも統合失調症への理解があるとは非常に考えにくいです。

それに措置入院が報道では、「精神鑑定」といった表現になるため、どうしても犯罪と統合失調症が、ごちゃまぜになって印象づけられています。

 

措置入院自体は本当は、統合失調症の保護観察が主体なんですが、逮捕、拘留と同様に受け止められてしまうからです。

これに統合失調症への偏見が加われば、一層、措置入院からやがて医療保護入院に切り替わって退院しても、家族や統合失調症本人の居場所がなくなってしまいます。

 

出来れば措置入院はしたくないものですが、「精神病」といったレッテルは、統合失調症であることを気がついていない本人や、その家族の心の中にもあるので、困ったものです。


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