統合失調症とうつ病ですが、何か?

統合失調症とうつ病を併発して、5年がかりで克服し完治させたアラサー男の記録をまとめます。前職は営業職で病みまくり、今はストレスの少ない仕事で社会復帰を果たしています。

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実はなりやすい高齢者で統合失調症を発症した場合の特有症状

      2017/07/07

記憶の固定と思い込みの違い

統合失調症の精神障害における特徴は、普通の人の単なる「思い込み」ではなく、記憶の中の片鱗のいくつかが組み合わされて、妄想から端を発したものが多いです。

高齢者で発症、というよりも、若年性統合失調症であったことに気がつかず、老齢になってから症状が顕著になった例が非常に多いです。

高齢者の統合失調症は、症状の進んだ認知症に非常に近い場合が多く見受けられます。

 

一番良く似ているのは、「思い込み」をいくら周囲がそうではないと説得しても、本人が決して受け入れない点ですね。

普通の人であれば、現実と頭で考えていたことの差異が非常に多きれば、現実の方を事実として認知します。

統合失調症でも高齢者の場合は、妄想が体系的である程度独特のストーリーを持っているのが特徴です。

 

「いつも嫌がらせをされている。」と、高齢者の統合失調症が周囲に訴える場合、いつものところに置いてあった物品が、いつの間にか移動して隠されていた、そういった話の流れがあります。

実際のところは、高齢であるために単なる物忘れなのですが、物が実際に本人が見つけても、「誰かが隠している」という風に考え、それが「自分をおとしめる存在があり、その存在のせいだ。」と思考が変異していくのです。

 

統合失調症は若年性の場合は、多くは漠然とした不安や焦燥感などから、やがて妄想と結び付いていくのですが、高齢者の統合失調症は、「確信」がかなり早い段階から発現しており、”妄想には対象がある”といった点が目立ちます。

こうした「記憶の固定」は、若いころにあったはずの統合失調症の前兆、それも日常的に異質な感じなどの、本人の自覚が常態化しているといえるかもしれません。

 

この統合失調症の発症の要因は、一番身近な高齢者の家族、または夫婦どちらかのパートナーなどがその対象となっていることがほとんどです。

この点も認知症とよく似ていますね。

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認知症と統合失調症

認知症と高齢者の統合失調の違いは、記憶力に大きな違いがあります。パーキンソン病に症状が近くなるケースも多く、また誤診も結構多いようです。

一方のアルツハイマーなどの認知症の場合は、記憶は症状の進行で喪失が多くなり、新しい記憶が出来ない事が多いのに対し、

高齢者統合失調の場合は、記憶の変化に柔軟性が無いのが異なる点です。

 

つまり、新しい記憶を組み合わせて認知し、記憶力として脳の中で神経同士連携が取れていないのです。

認知症は、本当に記憶が欠如しているのに対して、高齢者統合失調症は記憶力はそれなりにあります。

 

高齢者と若者との精神面での違い

若年性統合失調の場合で最も多いのが、妄想から来る幻覚で、特に妄想がいくつも複数絡み合って混在しています。

行動もその妄想から来る、被害妄想や強迫観念から暴れたりしますが、高齢者の統合失調症の場合は視覚的、行動などでは大きな特徴が出にくいものです。

思考が外に向かわず、常に自分の頭の中で繰り返される点は、若年性と同じですが、妄想が幻聴となるパターンは、高齢者の統合失調症では多いですね。

 

それに、ある程度の社会性が保たれているのも特徴で、普段は目立った奇声も行動も見られませんが、

「常にあの人は私を監視している」といった思考の固定は継続した状態です。

従い、自分で行動するというより、被害妄想から警察に電話したり、近所に告げ口したり、

あるいは物陰で近所の家にゴミを投げて通報されるなど、行動も非常に身近で他人を巻き込むことが多いですね。

 

また自傷行為の危険性も少ない事があげられます。

性格的には、人格が崩壊したような印象は無く、普段は大人しい性格だが、考え方に異質な部分が目立つんですね。

 

特に非常に物事に懐疑的で、勝手な想像で相手の生活や考えはこうだと決めつけている点は、高齢者の統合失調症の大きな特徴でしょう。

被害妄想は非常に多いかもしれません。認知症などに比べて、幻覚はそれほど多く無いのですが、睡眠障害と妄想と虚言は非常に目立ちます。

 

性格の固定が問題となる

高齢者の場合、その年齢によっても違いはありますが、長年の生活習慣の癖や好みなどが影響して、

既にある程度の人格が作られそれに大きな変化が無いのが特徴です。

 

そのため、若い人の統合失調症の様に、急性期から消耗期にかけての感情の平坦化、あるいは自閉症状もほとんどありません。

性格としては非常に安定しているものです。従い、高齢者の統合失調症は「特異な性格」に見られる事が多いですね。

 

要するに単に「変な老人」に思われることが多いのです。

これは、普段はその生活習慣の慣れから来る、対人関係も体面を保った、体裁をキチンと整えるといった点も若年性統合失調症との性格の違いでしょう。

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非常に治療が難しい高齢統合失調症

それまでの生活習慣の中で形作られた意識は、そう簡単には変えられないものです。

特に高齢者の統合失調症の場合は、それが「固定観念」と強く結びついています。

この固定観念は、例えば高齢者では「若い人は派手好き」とか、「毎朝キチンと同じ時間に起きる」など、

社会的には出社などの義務を負わない中でも、その習慣が治せない部分によく出ています。

 

これは普通の高齢者でよく見られる傾向の一つですが、高齢者の統合失調症の場合は、妄想の中で繰り返しこれが起るのです。

現実の習慣と妄想が密接に結びつくため、非常に具体的な現実感のある妄想が多いのもそのためです。

認知症と誤解されやすいのは、妄想を元にして虚言が多くなる点ですね。

 

また高齢者の統合失調症は、どうしても女性に非常に目立って発症しやすいことが知られています。

認知症も同じように男性よりも女性が多いと言われますが、関係性は特に研究結果は出ていません。

これは女性の方が男性よりも、高齢になった場合でも、近所付き合いや外出などでも、一定の社会性を備えているためと言われています。

つまり、人と接する機会は、高齢者の男性よりも女性の方が活発なのです。

 

高齢者の統合失調症は、若年性とは違って、カウンセリングのような1対1の話合いでは、相手の話を理解できにくいため、治療は投薬治療が主体です。

このため、自宅での家族の看護で治療を続けられますが、薬による副作用はやはり避けられません。

 

特に高齢者の統合失調症は、若年から周囲が本人を統合失調症とは、気が付いていない場合が多く、症状に対して投薬の経験が少ない事があるからです。

従って、抗精神病薬の副作用で自閉症のような、陰性症状が出現する場合もあります。

また認知症を併発している場合は、更に投薬治療も重複するため、投薬自体が非常に難しい場合も多いのです。

 

家族がどうやって支えていくか

まず高齢者の統合失調症は、症状を抗精神病薬で抑えるのが主体なため、生活の中で如何に本人に薬を飲ませるかが重要なポイントになります。

ある家族では薬ではなく、栄養剤と偽って飲ませたり、様々な工夫をしているようです。

それに高齢者の場合は、統合失調症であることを自覚させることは、まずかなり難しいと思って良いでしょう。

 

日常的なケアとしては、「妄想に付き合ってあげる」というのが、一番大切なメンタルケアになります。

行動が異常に見えても、怒ったり、否定しては症状はかえって悪化します。高齢者の統合失調症は、積極的に自ら通院することは稀です。

 

性格も最初から「この人は歪んだ性格だ。」と思わず、本人が明るく話せる状態が通常の精神状態と、本当の性格と思わなければならいでしょう。

とにかく、身近な人が「信頼出来る人」になることが、非常に重要となります。

 

高齢者は治癒出来るのか?

若年性統合失調症とは違って、高齢者の場合は完治は非常に難しいですが、性格に関しては穏やかになったり、変化は出てくる場合があります。

また高齢者医療施設や、特別養護老人ホームなどで、ヘルスケアの一環で入居できる場合もあります。

 

高齢者の統合失調症の特徴の一つには、経済的不安が発症及び悪化の要因ともなりますので、本人が借金を抱えているケースなどでは、

そうした収入や出費面でのサポートが、治療に寄与します。

実際、年金だけの生活から、家族が一緒に暮らして面倒を見ているうちに、性格が穏やかになって、統合失調症の症状が抑えられたケースも多いのです。

 

どこまで面倒をみられるのか?

幸いと言ってはなんですが、高齢者の統合失調症は、年齢的に言えばその後、脳も確実に老化し、体力もかなり減衰するはずです。

これは発達障害で、かなり暴力的な性格が、高齢になって体力が無くなり、それまでのようには出来なくなるのと似ています。

 

若年性の場合は、激しい症状で悪化の場合は手が付けられませんが、高齢者の統合失調症は、妄想と虚言に集約していきますから、

最終的には話を聞き流しても、症状がそれ以上悪化する場合はそれほど多くはありません。

 

ある程度「わがままな性格」とか、「変な性格」として、普通に接することも可能です。

他人に危害を与える可能性が低いため、その分対処も苦痛でない場合もあるのです。

やはり深刻なのは、統合失調症のような精神障害よりも、認知症のような脳機能障害でしょうね。


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