無理なことはしない!統合失調症の先輩ママが教える子育て術
2017/07/12
母親が統合失調症の場合、やはり通常の子育てとは違う問題がでてきます。
それが子供にどう影響を与え、どう対処すればいいのでしょうか?
今回は、統合失調症の子育てについてをご紹介します。
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統合失調症の子供の特徴
まず統合失調のママが、子供の育て方について悩みと同対峙するのかを説明する前に、
子供における統合失調症とはどういった形で発症する過程をたどるのか、一様に考えてみましょう。
それさえある程度理解出来ていれば、統合失調症のような精神障害は、あくまでも後天性であり、育て方というよりも「環境こそ左右される」という部分を理解できるはずです。
小さい子供は、20代の統合失調症とよく似た行動や言動が多いものです。
一緒に歩いている時、あらゆるものに気を取られ、また想像力旺盛であるために、テレビでみたポーズや言葉を何度も繰り返す場合があるからです。
統合失調症の特徴は、ひとことで言うなら「想像力が逞しい」ということです。
それも思考がバラバラに独立して複数の想像、妄想が絡むので、この点は小さい子供も同じような特徴を備えています。
これはまだまだ自我の発達が未熟といったことからきています。
しかし、子供の成長と統合失調症とは、まだ未解明の部分が多いですが、こうした10代後半から20代にかけて発症しやすい統合失調症の症状と、子供の持つ特性が被るために、多くは見た目で区別できないのです。
かなり早期発見は難しいですね。しかし、実際よく後から考えてみると、子供の統合失調症は特徴的な行動や言動が良くわかるものです。
例えば「意味の無い奇声」ですね。子供の場合、大きな声を出せば大人は驚いて振り向くために、面白がって発声することがあります。
しかし統合失調症の子供の場合は、周辺の環境、特に大勢の人のいる場所で、突然大声で泣き出したり、奇声を発する場合があります。
その時、まず環境を変えて同じような行動をするかどうかを、よく観察すると良いです。
単に人混みの見知らぬ人への不安からそうなる場合と、特定の環境に一定時間居るとそうなる場合があるからです。
年齢的に5歳以上でそうなる場合、脳の発達にはどこかに未熟な部分が、まだ残ったままと考えても良いかもしれません。
発達障害に近いですが、これは脳神経のつながりがうまく機能していないために、ある種のパニックになってる状態とも言えます。
しかしこうした行動や言動があるからと言って、心療内科で統合失調症と診断されるのは、非常に稀です。
統合失調症を悪化させやすい育て方
「統合失調症としつけ」の問題は、かなり統合失調症の出現の可能性に深く関係しています。
それは、しつけとして子供に道徳やルールを教える時に、「子供の行動や発言を否定する」事が、多くの場合基本となっているからです。
しかし、5歳から小学校低学年程度では、周囲を見て動作や言動は真似られても、大人の言葉を完全に理解できるわけではありません。
従って長く説明して説得しても、子供はまず落ち着いて聞いてくれることは難しいででしょう。
統合失調症の発現の時、初期症状の最初は10歳以上の場合、それは「違和感」から始まります。
なんとなく一人でいる方が落ち着くとか、何気ない同級生の会話が気になるなど、非常に小さなことが初期症状となります。
そのため自覚症状はまずありません。大抵の場合は、急性期の妄想と異常な行動が目立ち始めて、初めて家族は気が付くものです。
まず幼少期の統合失調症とは、本当の精神障害とは辺別しにくいものなのです。
そのため、統合失調症の子供の場合、そのしつけの方法は、子供全般の教育法、育て方に通じるものがあります。
悪化しやすい育て方は、しつけも含めた「完全否定」と「固定観念」の両方です。
それと大声ですね。男親には非常に多いのですが、テレビや何かのイベントで大声で話す人は、よく注意した方が良いでしょう。
笑い声など、対象が子供と共有できないような内容に対しては、子供と接する時は声量を変えた方が良いかもしれません。
統合失調症をわがままと勘違い
「子供はわがまま」と思う場合が多いですよね。
しかしわがままというのは、ある程度成長し、子供がそのことについて「打算的」な思考が出来るようになって、初めて出てくるものなのです。
それ以外は、大人の行動や命令への理解が不足し、不安を多く抱えているだけです。
自分が出来るかできないかわからず、それでも「親」という大人の立場で、強く命令することは、子供にとっては不安を増長させます。
この懐疑心を克服しないまま、「命令に服従することに慣れる」というのが、子供に統合失調症の傾向がある場合、かなり悪影響を及ぼします。
何処かに出かける時、どうしても拒否して泣いたり、暴れたりする場合は特にその子供が抱えているのは「不安」です。
乳幼児が満員電車でよく泣いてしまうのも、多くは人の表情から感情を察知できない無表情が多いため、それで不安を感じている事が多いのです。
つまり、幼少期のわがままとは、「理由の無い拒否」ではなく、「不安に駆られた拒否反応」といえます。
統合失調症の場合も、治療過程で重視されるのでは、この不安を取り除くことです。
子育ても、子供に不安を感じさせることが常態化したのでは、しつけも殆ど上手くいかないでしょう。
統合失調症にとって良くない環境
「大きな音」、例えばドアを閉める時に勢いよく閉まるとか、大声で話すのが日常になってるような環境は、子供にはその「感情」を読み取ることが難しいのです。
何故なら、怒った声も大声で笑う声も、声量としては同じだからです。笑い方にも明るい印象と、卑屈な印象、あるいは含み笑いも大人には色々あるものです。
しかしその多くは、幼児には理解できません。まず対象が何であるかわからないのです。
幼少のしつけなど、その育て方では笑いも普通の話し声も、怒る声も同じ声量では、子供は常に「怒った声」に感じます。
これが不安の常態化です。それに扉を強く閉めたり、物音が常に大きな環境なら、子供は不安の中で常に育つことになります。
笑い声にしても、子供と共有できることなら声量が大きくても構いませんが、子供から見えない場所での怒鳴り声は、子供の育て方に影響します。
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病気か障害かの捉え方の違い
「うちの子はもしかして、統合失調症かも?」と素朴に疑問に思うママも、世の中には少なく無いかもしれません。
しかし、精神医学の分野でハッキリと統合失調症であるといった診断が可能なのは、ほとんどが思春期以降からです。
幼児の育て方の中で、もっともママの心配であるのは、統合失調症よりも発達障害の方が比率は大きいです。
しかし、この発達障害を経過し、正しく発達障害を認識していなければ、生育途中で統合失調症を発症する要素は多分にあります。
そこで、実際に統合失調症の子供を抱えるママ達は、一体どのような対処で統合失調症の障害と向き合っているか、考えてみる必要があります。
まず一つの真実として、多くのママが「自分の子供が統合失調症かも?」
と悩むケースは、自分や結婚したパートナーのどちらか、あるいは自分の子供以外の家族に、統合失調症などの精神障害を抱えている場合が多いという事です。
この点、統合失調症は単なる病気ではなく、何処かに生まれ持った素養や、それまで育てられた人格の継承、つまりその親もまた精神障害であるがゆえに、子供もその影響を受けやすいと言えます。
特に多いのが、児童虐待との関係です。これは、親の心理が高揚している時は、気分が良いため子育ても積極的です。
しかし自閉的な思考に陥りやすい心理があると、泣く子供や騒ぐ子供をうるさいと感じるような、真逆に子供に対して攻撃的になる人もいます。
この関係は特に男性側に顕著で、仕事に忙しく、家庭でも喧騒のある子供の無邪気な行動が気に入らない、あるいは邪魔に感じるケースがよくあります。
しかしこの時、ママの対応としては自分の子供なので、立場は子供の擁護に回ることが多く見受けられます。
この時、2つの違った環境を子供は日常的に抱えることになります。
子供にとって、ママという存在は自分側についてくれる味方です。
中にはそうでもない人もいますが、少なくとも子育ての上で出産という経験上、ママは子供の面倒を見るのが普通と考えやすいものです。
つまり子供にとっては、ママは非常にわかりやすい存在です。
一方で、父親の日常は働く時間に多くの比重が置かれ、日常的に家庭にいるのは就寝前の僅かな時間です。
これは子供にとっては幼少期、父親という存在を上手く理解できないことになります。
それでもパパとママが、普段は仲が良く見えれば、子供としては家庭という環境に慣れ、それが常態化するわけです。
しかし、自分の行動によって父親の反応が急きょ変貌した場合、子供にとっては父親の理解が更に不可解なものになります。
統合失調症の大きな特徴は、「様々な症状がある」と言われますが、最近の研究では脳の活動に特徴的な反応があることまではわかって来ています。
それが妄想という想像です。つまり自分では理解できない事を、何とか知り得る過去の知識と組み合わせ、想像によって理解しようとします。
統合失調症が不安障害、あるいは強迫性障害を抱えるのは、こうした「自分では理解できない自分以外の人」という存在が、最も影響を与えるのです。
つまり、家庭内の「パパとママ」の2人の人格や自分に対する対応が、全く異なる場合に、正常な理解と言動の受け答えが上手く機能しなくなるのです。
つまり、ママとパパでは子供の育て方がそれぞれ違ってしまっていると言えるかもしれません。
自分のせいだとは思わないこと
統合失調症の心配をしているママさんなら、まずいえることは統合失調症とは必ずしも1対1の人間関係で発症する精神障害ではないことを、強く認識しておくことです。
統合失調症の発症率が高いのは、思春期以降の若い男女で、集団生活の中で発症するパターンが大半です。
その集団生活の一つが、家庭であるという事なのです。つまりママ1人の子育てが悪くて、統合失調症が発症することは考えにくいのです。
従い、こうした統合失調症の子供というのは、少なからず両親2人の存在が必ず不可欠であるといえるのです。
統合失調症のママの子育て
これまで説明してきたのは、家庭における子供の統合失調症についての話ですが、これはそのまま親であるママ自身が統合失調症である場合に、実はそのまま当てはめることが出来るのです。
そこでポイントをまとめてみましょう。
まず統合失調症のママの場合、発症するタイミングはどこになるでしょうか。それは子供が原因となる場合はあまりありません。
統合失調症とはあくまでも人との会話で、自分に対する周囲の反応と、自分の頭の中での整理がつかない事によるものです。
つまり、よくある近所付き合いの中でママさん同士でのコミュニケーションは、統合失調症の理解が薄い普通のママさんたちにとっては、統合失調症のママに妄想の機会を与えやすいです。
住環境の中で、少なくとも統合失調症である自覚があるママなら、子育て中は複数の人間関係はあまり良い影響を与えない場合があります。
それともう一つは、治療中でも子供の育て方に、普通の人と大きな違いはありません。子供も、実際2児のママさんだって多く世の中にはいます。
これは適切な投薬と、パパのサポートがあるからです。
子供にも統合失調症の薬や、治療中であることを打ち明けるくらいの心構えは持っていた方が良いでしょう。
育児を一人で抱えないこと
やはり、住環境の中でどうしても統合失調症のママも、パートなど外で働かなければならない家庭事情もあると思います。
その際は、いつでも治療で中断できる仕事をまず選ぶことと、パパの子育て参加は非常に重要だと理解しておくことです。
統合失調症の人は、最低1人でも、精神障害への理解者がいるだけで心強いものです。
パートナーが統合失調症とは、脳の神経障害の一種だと理解できていれば、症状の経過を見て冷静に対処してくれます。
統合失調症の家族を抱えてた現実に関して、決してマイナスに考える必要はありません。
ママが休養中の場合、パパがある程度の家事に対するサポートがあれば、大した問題にはなりません。
そういう意味では、依存度の低い男性の存在は大きなものになります。
子供のしつけはごく普通で構わない
統合失調症への大きな誤解は、通常の日常会話を理解できないのではないか、といった誤った認識によります。
他人や家族の言葉を理解できないのではなく、頭の中で整理が出来ないということです。一方で子供のしつけは、単純明快です。
というより、子供には単純明快でわかりやすい方が、何でも伝わりやすいですよね。
「何がダメか。」、「どうしてしなければならないか。」など、優しい言葉で伝えるくらいなら、統合失調症のママも容易に出来ます。
それが至らない部分があったとしても、子供の育て方、しつけはパパとママで共通でやることに変わりは無いのです。
しつけにおいて、子供の会話を理解できないママは、まずいないものです。
むしろ、子供という存在に助けられ、症状によって治療で入院してもそれが励みになって前向きになることもあります。
統合失調症が遺伝なのかは、未だに不明です。
しかし環境が最重要であることがわかっていることから、少なくとも統合失調症のママのいる家庭環境が心落ち着ける環境なら、それは治療にも良い結果をもたらすはずではないでしょうか。
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