統合失調症だと認定される診断基準とは?その検査方法について
2017/04/08
統合失調症の診断
統合失調症の特徴として、初期の間は症状がはっきりと見えてこない、あるいはほかの脳の病気と見分けがつかないというものがあります。
そのため、とくに統合失調症は発見が遅くなってしまう傾向があります。
ここで問題になってくるのは、統合失調症の発見が遅くなってしまうと、治りにくくなってしまうことに繋がってしまうことです。
また、統合失調症を放置してしまうと、ほかの病気を併発する可能性も高まります。
代表的に併発される病気として、うつ病やパニック障害などがあげられます。
他の病気を併発してしまうと、複雑に病状が絡まり合い、益々治るのに多くの時間が必要になってしまいます。
そのため、統合失調症であるか疑わしい場合には、医療機関での診断を行う方が最適な方法となっています。
統合失調症の発症を早期に見つけることができれば、比較的迅速に病気を治すことにもつながることになります。
ここでは、統合失調症は病院でどのように診断がされるのかをまとめます。
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統合失調症の診断:問診
医療機関での診断では先ずは本人と家族への問診が行われます。
自分しか行かない場合は、無理に家族への問診が行われることはありません。
しかし統合失調症の治療には家族の協力は必須になるので、できるだけ同席してもらったほうが、今後の治療には有効です。
問診においては下記の項目についての聞かれることになります。
1:どのような症状が出ているかについて
2:いつごろからその症状が出始めたかについて
3:症状の経過について(いつも出ているのか、周期的なものなのか)
4:日常生活や仕事への問題点について
これ以外に、これまでの生活環境、既往症、家族の病歴についても聞かれることになります。
統合失調症の場合には、コミュニケーションに問題が出てしまうことも多いので、
そのような場合には本人ではなくて家族にたいしての問い合わせが中心に行われることになります。
統合失調症の診断:診断基準
統合失調症の診断には診断基準があります。
お医者さんはこの診断基準をもとに客観的に判断して、統合失調症であるかどうかの判断をおこなっていきます。
診断基準としてはWHO(世界保健機構)が定める、国際疾病分類であるICD-10と、アメリカ精神医学会のDSM-IVが用いられています。
DSM-IVの診断基準だと、陽性または陰性症状が2つ以上。
認知機能障害による社会生活能力の低下が半年以上続いてみられるときには、統合失調症の発症が疑われることになります。
DSM-IVの診断基準
1:特徴的症状(下記のうち2つの物がいつも見られる場合)
(1) 妄想
(2) 幻覚
(3) 会話の異常
(4) ひどく緊張した行動
(5) 陰性症状(感情の低下、思考の低下、やる気の低下)
2:社会性あるいは仕事での機能の低下
社会生活を送ることに困難がでている
仕事を行うことに困難がでている(対人関係、自己管理)
3:期間
障害が生じて持続的に半年以上の経過がみられる。
4:他の病気の除外
うつ病などの他の精神疾患を発症していないこと
5:発達障害の除外
一般的な発達障害の除外
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統合失調症の診断:検査
統合失調症の診断基準によって統合失調症の発症が疑われるときにはさらに、
CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像法)検査、血液検査、脊髄液の検査が行われることになります。
CTやNRIでは脳の画像を非侵襲的に撮影することによって、脳の状態を正確に診断することができるようになります。
検査スケジュール
統合失調症であるかどうかは、1日では検査できないことがほとんどです。
僕の場合は、病院に3泊してようやく検査が終了しました。
えっそんなに長いの!?と驚きますよね・・・具体的なスケジュールはこんな感じでした。
1日目:診察、説明、採血・採尿、胸部レントゲン、心電図
2日目:事象関連電位、臨床評価
3日目:認知機能検査、頭部MRI検査、臨床評価
かなりぎゅうぎゅう詰めなスケジュールで、4~5泊かかる病院もあるようです。
でもこのくらいしっかり検査すれば、自分が病気であるかないかははっきりします。
統合失調症の診断:まとめ
これらの診断プロセスの結果を総合的に判断して、お医者さんは統合失調症であるかどうかの判断を下していきます。
全ての診断を行った結果として、統合失調症ではないという判断がでることももちろんあります。
統合失調症であるとお医者さんが判断した場合には、症状に合わせて、
最適な回復方法(医学的な方法とリハビリテーションの併用など)を選んで治療が進められていくことになります。
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