日常生活を送る上での中度~重度の統合失調症との接し方
2017/04/08
統合失調症への接し方
中度~重度の統合失調症を発症してしまうと、軽度では発生しにくい陽性症状、陰性症状、認知機能障害といった特徴的な症状が現れてきます。
本人は実はその状態を自分ではあまり理解していません。
その異様な行動は病気のせいで起きているのですが、周囲にいる家族・友人はその状態への対応が必要になります。
統合失調症は、本心から異常と見える行動をとっているわけではありませんので、それを十分に認識して周囲の人は病気に対応していくことが必要になります。
ここでは、統合失調症の代表的な症状にたいしてどのように接していくのが良いのかをまとめます。
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統合失調症の陽性症状への接し方
統合失調症の陽性症状の特徴として、幻覚に襲われることがあります。
実際にはないようなものが見えたり聞こえたりします。
周囲から見ると怖いと感じてしまいますが、それは当然の反応です。
本人は時として大きな被害妄想を感じていることも多いので、周囲の人は決して否定をしてはいけません。
妄想だとしても言動を否定してしまうと、否定した周囲の人に対して攻撃的な気持ちが起きてしまってとても深刻な状態になってしまいます。
これは統合失調症の症状を悪化させることにもつながってしまいます。
否定してもいけないのですが、反対に肯定することも絶対に行ってはいけないことです。
肯定してしまうと、気持ちが高ぶってしまって、この場合も症状を悪化させることにつながってしまいます。
周囲の人が本人を無視することをしてもいけないので、普通に接してあげることが重要になります。
本人の気持ちを十分に理解してあげていることを周囲の人が伝えていく気持ちを伝えることができれば、本人の高ぶった気持ちがおさまってきます。
それを繰り返し行っていくと、症状の緩和につながっていきます。
統合失調症の陰性症状への接し方
統合失調症の陰性症状の特徴としては、外界との接触を絶ってしまうことがあります。
外界との接触を絶ってしまって、一人でいる時間が増えてしまうと、同様に統合失調症の症状を悪化させてしまうことが多くなります。
周囲の人はできるだけ、一人にしないで、人間の輪の中にいるように仕向けることが重要になってきます。
周囲との接触は避ける傾向にあるので、興味を持ちやすい内容を周囲が提供してみましょう。
できるだけ人間の輪の中に入ってくるようにしてあげるのはよい接し方です。
一般的な生活習慣(歯磨き、洗顔、お風呂など)を行うことも嫌がることが多いです。
それも楽しくできる限り行うように仕向けてあげることも大事になります。
「一緒に磨こう」と誘ってみたり、デザートを食べた後は歯磨きをするなど習慣づけるのは効果的です。
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統合失調症の認知機能障害への接し方
統合失調症の認知機能障害の特徴としては、いろいろなことに対して正しく考え判断することができなくなることがあります。
特に新しく出てきた問題にたいしての処理能力が大きく低下してきます。
本人にとってはそのような状況に置かれてしまうと、大きな不安を覚えて、病状を悪化させてしまいます。
できる限り周囲は普段の通りに生活を送っていけるような環境を提供してあげることがよい接し方です。
また、いろいろなことに大きな時間がかかってしまう場面も多くなってきます。
それを暖かく見守ってあげて、できない自分に対する不安とイライラを少なくしてあげることはとても重要です。
統合失調症への接し方:まとめ
統合失調症への対応は難しいものがありますが、周囲が何もしないでいると、症状が大きく悪化してしまうことが多くなります。
周囲の人にとっても大きな負担を強いる部分も多いので、接している家族が体を壊してしまうことも起こってきます。
接している家族にもっとも多く発症される病気として、看護することによるストレスでの、うつ病の発症は多いです。
周囲の人が気を付けることは、決して過度の負担を自分に与えないことです。
何人かの人で協力して統合失調症に接していく、あるいは時には専門家の力を借りることも良い方法になります。
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