統合失調症とうつ病ですが、何か?

統合失調症とうつ病を併発して、5年がかりで克服し完治させたアラサー男の記録をまとめます。前職は営業職で病みまくり、今はストレスの少ない仕事で社会復帰を果たしています。

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完治しても統合失調症の再発率は80%!再発率が高くなる原因

      2017/05/24

統合失調症の再発率は?

まず初めに統合失調症は、「突然発症する障害、病気ではない」ということを念頭に置くことです。

非常に再発しやすいのは、他の精神障害も全く同じです。

脳機能障害と関連のある重度の睡眠障害のケースでは、症状の波も激しく、全く重い場合は気力を失い数か月以上不眠が続くことがあります。

 

それに統合失調症の症状は、その原因同様、決して一つではありません。

妄想、虚言などは、極度の鬱状態や、睡眠不足が重なれば、精神障害が無くとも普通の人でもよくあるのです。

睡眠不足は大きなストレスの原因であることは、間違いないでしょう。

 

統合失調症の再発率は、日本精神神経学会調べでは、統合失調症に関連する投薬を中止して、状態観察に入ってから1年以内の再発率が80%、2年以内再発率は98%と極めて高いです。

しかもこの再発と同時に転職や離職をする場合もあり、社会人では社会復帰の大きな弊害となっています。

この社会復帰しにくい部分も、現代社会では大きなストレスの原因となるんです。統合失調症の完治については後述します。

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どうして再発しやすいのか?

統合失調症の人が投薬を停止し、しばらく経つと症状の再発率の可能性が高くなることは既に説明しましたが、それ以外にも再発率が上がる理由は幾つか考えられます。

ここで私から、経験に基づいてどうして再発のきっかけなどが起るのかについて、ちょっと説明します。

まず統合失調症の患者の場合、実際に病院やクリニックなどに通って、診察でいきなり「あなたは統合失調症です。」とは絶対に診断されません。

 

話を聞いてもらい、苦痛となる要因、睡眠や焦燥感や不安を和らげる抗うつ薬や、睡眠薬などを処方され、通院が少なくとも数か月にわたって継続した場合、それでも「その疑いがある。」とだけ伝えられます。原因も追究するようなことはしません。

つまり統合失調症は、症状が徐々に重くなったり、ある時軽くなったりすることを、何度も周期的に繰り返すんです。

 

軽いときには、多少の精神的な不安とか焦燥感はあっても、ストレス耐性はまだ大丈夫です。それは妄想や虚言などの原因にはまりますが、統合失調症の病態でしかないのです。

しかし、自分の体調が改善しても、家庭環境や仕事や学校でも、周囲の環境は「同じ」です。仮に自分が統合失調症であることを、

周囲が認識しても、それは完全な理解になるはずはありません。「病気」という心理状態は相変わらずです。

 

ストレスを和らげる手段が無い状態の統合失調症の人にとって、環境が以前と変わらないことは、

やはりストレスがいずれはまた降りかかる、再発率が高くなると想像をしてもおかしくありません。

統合失調症と対人関係は密接で、原因を敢えていうなら、それは自分以外の「他人」その人ですね。再発率がどうしても高い理由は、

 

他人との関わり合いは社会では必ず付き物だからです。幼稚園、学校、職場すべてにおいて再発率が高い場所があるという事ですね。

これは統合失調症が障害であるか、病気であるかのどちらでも曖昧な、非常に複雑な精神障害の一つの特徴が関係しています。

一時的に復帰し、改善した状態の中でも統合失調症が治った確証はありません。継続している場合が多いです。

 

そのためにその一時的な状態が、「治った」と勘違いし、従来通りの”健常者”の扱いを受ける場合があります。

統合失調症の治療とは、非常に長いものです。言ってみれば出来るだけ長く最悪の状態を、投薬や治療で先延ばしにし、軽度の感じを常態化するのが目的でもあります。再発の防止は、やはり一人ではなかなか難しく、統合失調症の人の自覚と前兆が認識できた時に、なるべく早く対処することが望ましいです。

 

統合失調症の思考とは?

統合失調症の原因を追究することは、他の多くの精神障害と考えても、あまり成果を得られるものではありません。

原因は対人関係であることは、ほぼ間違いないですが、それも特定の人というより、統合失調症の人の「体質」にもよります。

ちょっとしたことで、ショックを受けて気が沈むことは誰にでもあります。

 

他の人は気にならなくても、自分が過去にイジメられてきたり、あるいはその人にとってどうしても、”譲れない”などの性質は個別にあります。

特に対人関係がどうしても上手くいかないなど、トラブルを繰り返すうちに、自分にその性質があるとは気が付きにくいものです。

こういった事を「病識」と言います。

 

統合失調症の人にとって、病気・障害の原因は自分自身の中にもあるんです。

「この部分を自分はいつも悪く考える」とか、「漠然とした不安がぬぐえない」、「なかなか休んだ気がしない」などがその性質によって、

「妄想」とか「虚言」になって出てくるのです。こうして見ると、統合失調症の人は何かを見たり、聞いたりした際に、必ず自分の心にあるフィルターを通してから理解している様子がわかります。

 

「考え方がマイナス思考」ではなく、むしろ外的要因に障害が何かを付け足している印象です。再発率が高い理由の一端が個々にあります。

つまり統合失調症であっても、こうした外的要因に何かをつけ足したり、余計な思考を巡らせずに済めば、妄想や虚言は抑制され、

多少ストレスに弱いだけで普通に暮らせるという事が出来るのです。

いくら統合失調症がどうしてなったか原因を探る無意味さが、ここにあります。

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ストレスの原因となりやすい対象

紛れもなくストレスの要因は、「対人関係」そのものです。「5人に一人は統合失調症」などとややオーバーに言われることもある、

日本の発症率ですが、日本の場合は「本音」や「建て前」の使い分け、あるいは、常識もローカルなルールが非常に多いですよね。

 

また流行に流されやすく、テレビなら必ず共通のドラマの話題が出たりします。海外のような100チャンネル近くもあれば、趣向は多種多様ですが、興味対象や話題性が局所的なのも日本では珍しいことではありません。

こうしたシンプルとは言い難い対人関係の中で、更に人には好みも多種多様です。

中でもその極端な例は、「一部の人を差別する」という典型的な行動、「イジメ」では顕著になって表れます。

 

これもまた本音と建前の使い分けで、一方では「友達を大切に」一方では、「邪魔者扱い」という表裏があります。

この切り替えについていけないのが、統合失調症の人たちです。人にとって態度がまちまちでも、人は「信用」という自信を持って人と接します。

しかしこの自信が持てないまま仮に、幼少から成長してきた場合、考え方が不安定になることはあり得るでしょう。

 

統合失調症の前兆

統合失調症の再発率を下げるには、前兆当たる時期、つまり回復して普段の日常生活を送れるようになってから、前兆が起きる前後の統合失調症に関係する、その他の症状を抑えることにあります。

それには、ストレスの起きやすい状況にいなければならない時間帯に、適切な休憩や休息が出来ているかなどを観察、あるいは注意するようにします。

 

特にストレスというのは、対人関係とそれほど親しくない人や、苦手な人といるときなどは、非常に強く感じますから、

職場なら部署を変える、あるいは再発を繰り返す職場などは、心療内科へ通ったりして、夜間の睡眠だけは確実に確保したほうが良いですね。

再発後、非常に様態が悪く、妄想、幻覚を感じたら転職も考えるべきかもしれません。

 

統合失調症の前兆は、集中力の低下と注意散漫や、ちょっとしたことで神経が逆撫でされて、激情あるいはイライラといったような、通常の人と同じ反応をします。

つまり不満やうっぷんが溜まってストレスとなっている状態です。

 

以前から統合失調症の経験があり、心療内科の通院が記憶にあるなら、働いている場合は「休息」にとにかく重点を置きます。

統合失調症経験者からすれば、前兆が来る前に一時的に興奮状態になり、仕事も学業も極端に根を詰めるようなことが起こります。

これが”波”の最初の1波です。この集中力が切れた時に、まだ無理をしていると前兆期が短く、急性期の妄想や幻覚の予兆がしてくるようになります。

 

特に前兆期にストレス過多になると、飲酒が増えたり、言葉遣いが荒くなったり、服装のスタイルが変わる場合があります。

不安や焦燥感に駆られるようになると、反作用的にこうした行動や言動が出て来るのも、統合失調症の急性期前の状態です。

 

家族であれば、指摘や注意よりも、まず休息しやすい「静けさ」や「声の大きさ」に注意した方が良いです。

これは、統合失調症は急性期になると、神経質になる傾向があるからです。

 

状態が3か月以上継続する時は要注意

「以前と態度が急に変わった」とか、「朝起きれず遅刻を頻繁にするようになった」とか、「怒りっぽくなった」などは、急性期に進んでいる証拠です。

これに妄想や幻覚が加わる頃になると、神経を消耗し、脳の活動も鈍るようになります。

 

感情も単純になり、非常に高低の差がくっきりしてくるようになるんですね。

この急性期は半年くらい続くこともあるので、投薬、睡眠両方で治療が必要です。

3ヶ月くらいで様子を見て、変化が以前と変わってそのままなら心療内科などの対処に任せた方が賢明です。

 

統合失調症はそもそも完治するの?

タイトルには「完治しても…」とありますが、実際のところ統合失調症も含めた精神障害に関しては、かなり後天的な症状となる事が多いため、長い経緯で障害となっています。

そのため、完治は現実には非常に難しいです。再発率の数字からしても、完治はあまり例がないでしょう。

 

統合失調症の治癒とは、前兆期を見逃さず、急性期になる前に症状を緩和させ、それを出来るだけ長期に渡って継続させることです。

従って、性質は統合失調症のまま、ある程度精神的なストレスに耐えられる様にするのです。

再発率が高くても、軽度で早めに対処すれば、日常生活に支障は出にくいというわけです。


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