統合失調症とうつ病ですが、何か?

統合失調症とうつ病を併発して、5年がかりで克服し完治させたアラサー男の記録をまとめます。前職は営業職で病みまくり、今はストレスの少ない仕事で社会復帰を果たしています。

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統合失調症とセロトニンの関係。増やす方法と陰性症状について

      2017/08/11

セロトニンとは?

広い意味で人の免疫機能に関係する、近年になって見つかった物質の名称がセロトニンです。

たんぱく質の中にあるアミノ酸の種類から作られるトリプトファンが、他の物質と結合して体内で合成されます。

消化器官に最も多く分布し、脳における役割はおよそ2%程度です。ただし、脳にあるセロトニンと腸にあるセロトニンは作られる場所が違います。

 

脳内で作られる場所が「脳幹」にあたる部分なので、脳神経と深い関係があることがよく知られています。

セロトニンは大脳皮質における意識や、気分、睡眠などへも影響を与えます。

 

セロトニンが抑制されるとうつ病や慢性疲労症候群などを引き起こしやすくなります。

正常な分泌ならば、生活リズムが正常に戻って睡眠と覚醒のバランスが正常になることも知られています。

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統合失調症とドーパミンの関係

統合失調症の病態で最も知られているのは、急性期の激しい攻撃性と妄想や幻覚などです。

これは制御の効かない激しい脳の活動であることは、精神医学ではよく知られてきました。

そこで統合失調症の治療には、脳内中枢神経に作用するドーパミンに注目し、ドーパミン抑制を目的とされてきた経緯があります。

 

これをドーパミン仮説と呼び、非常に統合失調症の治療においては、長い歴史があるものでした。

しかし1980年代からこの仮説も修正されたりして、必ずしも統合失調症患者すべてに有効な手段ではないといった説も、出てくるようになったのです。

 

これは統合失調症には、陽性症状と陰性症状の2つが存在していることがわかってきたからです。

特に統合失調症の人は、前頭葉の血流と糖代謝が低下するため、現在は前頭葉脳神経活性化を促すことで、統合失調症の2つの症状をコントロールしようといった試みが模索されています。

 

統合失調症の最新研究

統合失調症は人格が大きく変貌するため、多重人格の様に見えることがあります。

急性期には憎悪と自分の神格化や極端な興奮と覚醒が見られ、それが落ち着いてまた繰り返すのが特徴です。

 

また年齢でも大きく変わります。30代での発病の場合は、妄想や幻覚が主体となることが多く、非常に意欲的な活動が多いのが特徴です。

一方で思春期の時期は、気力の継続の困難や自閉的な消極的な行動が目立つことが多いです。

20代では非常に激しい症状がよく表れやすく、意欲や行動に渡り興奮と混迷が交互に起こり、暴発的な行動もこの頃に最も頻繁に起りやすくなります。

 

つまり後述する統合失調症の陰性症状は、年齢が高い程可能性が高い事が言えるんですね。

通常の治療が無理なケースでは、統合失調症の患者のこめかみに電極を当てて、週何回かに分けて行う、ECT治療が行われます。

 

統合失調症の治療効果は?

統合失調症の治療については、ドーパミン仮説による治療方法の確立から、まだ半世紀以上経過していないために

「興奮や緊張を抑える」とか、脳神経を刺激して一時的に麻痺させるような治療方法しかまだ無いのが現状です。

 

つまり統合失調症の急激な陽性症状を抑えるための物理的な治療なんですね。

そのため、後述しますが陰性症状における改善方法の研究が非常に渇望されています。

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セロトニンは増やせるのか?

前述したように、セロトニンは脳幹あたりで作られる体内物質なので、これを増やす治療法は現在存在しません。

代わりに腸内セロトニン抑制に使われるものは存在します。

問題は、統合失調症の消耗期から正常な脳活動への移行が、スムーズに行われるかどうかです。

 

セロトニンは、既に説明したように覚醒と密接な関係があり、特に脳内セロトニンは、トリプトファンを欠乏させないことが最重要と言われています。

普通の男性は、元々女性よりも約52%ほど、この物質を生成する能力が高く、女性ではこのトリプトファンが減少すると、男性の4倍の減少率でセロトニン合成が後退すると言われています。

 

つまりセロトニンを増やすということは、抗精神病薬の効果以後、継続して安定的ながらも気力や向上心を継続させて、

生活リズムを自然にしていくのが目的となります。

従って、これも統合失調症の治療としては、家庭で取り組める手段の一つです。

 

問題はトリプトファンをどうやって体内に取り入れるかですよね。

基本的にはタンパク質の多い食品が最も豊富に含まれているので、乳製品、肉や魚や豆、種やそれにかかわる加工食品に含まれています。

 

特に魚卵には多く含まれているので、食事の中に上手に取り入れたいですね。

但し過剰摂取は禁物で、統合失調症の場合は極端な偏食による、過剰なたんぱく質摂取は、自閉症の治療に使われる副作用と同じ効果があります。

 

統合失調症の陰性症状とは?

ここで話題を少し戻して、統合失調症の陰性症状について簡単に説明します。

この陰性症状とは、文字通り人の行動が能動的から消極的になり、極端に気力が消失した状態です。

中でも統合失調症の治療では、急性期よりも消耗期にあたる陰性症状が非常に問題となります。実際この症状になるのは、

急性期を経過して限界を超えた脳活動が停止したようなものです。

 

具体的には不眠、全てにおける関心が消える状態です。人によって様々な症状ですが、

なんと抗精神病薬でも、かつては間違えるとこのような状態に陥っていました。

従って、この消耗期を抜け出すためには、一時的に投薬を止める以外に手段がない欠点も多かったのです。

 

そこで、陽性症状の抑制に効果の高い抗精神病薬と共に、普通の人が何気なく出来る「やる気」とか、「活力」を活性化させるため、

セロトニンの役割に注目し、統合失調症の治療に役立てようといった考え方が出てきたんですね。

つまり統合失調症の治療とは、急性期を抑える以外に、正常な脳神経活動に戻すことが治療の目的となっています。


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