大きな変化が起きる統合失調症の急性期への対応と治療法
2017/04/08
統合失調症の急性期の特徴
統合失調症の急性期になるといわゆる統合失調症特有の症状がみられるようになります。
すなわち、人を疑いやすくなったり、睡眠に障害がでたり、幻覚・妄想などを見るようになるので、
周囲からみても異常な行動とはっきりわかるようになります。
コミュニケーション能力が著しく低下したり、判断力が低下する様な場合もあります。
今回は急性期の症状や治療ポイントをまとめます。
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症状が悪化する速度が速い
急性期は様々な問題を生じてしまうので、日常生活にも大きな問題を生じてしまうことが多くなります。
急性期は周囲から暖かい態度で本人を見守ってあげないと、本人はどんどん追い詰められてしまうことになります。
本人は本心で異常な行動をしているわけではありません。
病気のために異常な行動をしてしまっているのです。
このことを十分に理解してあげることは重要です。
個性差はありますが、ぶっちゃけ僕もこの時期一番人が変わったかのように暴力的になったので、家族にはかなり迷惑をかけてしまいました。
自分でも自分の変わりように驚いて、「昔の自分ってこんなことで怒っていたかな?」と後になっては思うんですが、そのときは止められないんです。
統合失調症の急性期の接し方
統合失調症の急性期の本人に接する際には、難しい言葉を並べるのはあまりよくありません。
判りやすい言葉で簡潔に本人が理解しやすいような接し方がとても重要になってきます。
本人に安心感を与えることができれば、多くの場合において、統合失調症の症状は大きく改善されることが多くなります。
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統合失調症の急性期の治療のポイント
統合失調症の急性期の特徴として睡眠に障害が出ることが挙げられます。
本人は深く安定して眠ることができなくなってしまうので、過覚醒の状態となってしまいます。
過覚醒の状態が続くと、精神的に大きな負担となってくるので、症状がさらに悪化してしまうことが多くなります。
睡眠が不足してしまうと、体力的にも大きな消耗となってしまいます。
ですから、本人を安心させ、十分に睡眠が出来るような治療法がクリニックではなされてきます。
治療の効果は一般的には早く現れてくることも多いのですが、治療を行っていくうえで、家族や看護者は本人の神経を過剰に興奮させないようにすることが重要になって来ます。
神経を興奮させてしまうと、一般の人でも睡眠が十分にとれなくなってしまうことがあります。
統合失調症は神経を興奮させてしまうと益々眠れないということになってしまいます。
心の安定を導いてあげるような接し方がとても重要になります。
一休さんのとんちの対応で切り抜けよう
統合失調症によくある症状ですが、僕の場合も夜はとくに、家の中にいるのに外から誰かに見張られていると思い込んでいました。
カーテンが風で揺れることや、外の気配など、全てが自分を見張るための罠だと思えていたんです。
それで夜は眠れずに、ずっとリビングで誰も襲ってこないかを待ち構えていたことがありました。
そんなとき母が、「わたしが見張っておくから、今日はもう寝なさいな」と声をかけてくれました。
父は「見張っている人などいるわけないだろう。どこの金持ちでもないのに」と取り合ってくれませんでしたが、母は僕の気持ちに沿ってくれました。
もちろん本当に誰かに見張られているわけではないのですが、統合失調症はそう思い込んでしまう病気です。
この母の行動はとても大きな意味があり、母が見張ってくれているなら安心だ・・・とそれからは安眠をとることができました。
このとき、実際に母はリビングに布団を移して、そこで寝ていたそうです。
統合失調症の妄想には、正面から正論を言い聞かせるのではなく、一休さんのとんちのような対応がいいと思います。
統合失調症の急性期:まとめ
統合失調症の急性期は一番本人にとっても辛い時期であるといえます。
なぜならば症状が一番深刻な期間であるからです。
急性期を過ぎて、休息期から回復期に向かうことができれば、症状はいい方向に改善していきますので、急性期にいかに総合的に統合失調症を治療していくかはとても大事なポイントになるといえます。
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